Taru Lab - Letters from the Cellar

小樽のクラフトワインショップ樽ラボが世界に発信!

Letter #10 サルデーニャの秋を楽しむ

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こんにちは。

イタリア人と日本人の夫婦で、小樽で小さなクラフトワインショップを営んでいます。 

 Taru Lab Wine Shop  ←こちら

 

先日まで緑だった山の中に赤や黄色の葉っぱがちらほらと。北海道もいよいよ秋の到来です。新じゃがやキノコなど秋の味覚いっぱいのこの季節、美味しい旬の食材と一緒にワインもますます進みそうです。

 

秋というと、9月から10月に訪れるイタリア・サルデーニャ島は、夏と秋が折り混ざったようなとても良い気候、私たちが最も好きな季節です。

 

9月中は日差しも夏の名残で日差しも暖かく、海で海水浴や日光浴を楽しんだり、海辺に夏だけ開くキオスク(海の家のようなカフェやレストラン)もまだオープンしているので、夕日を眺めながら屋外で家族や友人とアペリティフや軽食を楽しんだり、まだまだ夏のバカンス気分も味わえます。

 

10月に入り少し空気がひんやりしてくると、ワイナリーではブドウの収穫も終わりに近づき、待ちに待った収穫の時期を迎えます。サルデーニャも実りの秋には、収穫祭やバルバージャ地方での村の文化祭があったりと、各地で楽しい催しが目白押し。秋の味覚とともにサルデーニャの伝統や文化を体験するのにはとても良いシーズンです。

今回は、私たちもこの時期に何度も訪れている、思い出深いサルデーニャの秋について。

 

アルバ&スバネッダの収穫祭

秋はワイナリーにとっては一年で最も待ち遠しい季節。良いブドウが育つようにと一年中惜しみない重労働を日々捧げ、自然災害がないことをいつも祈りながらやっと迎える秋。無事に育ったブドウの収穫を迎える気分は、さぞかし安堵と喜びに満ちたものに違いありません。そして、この素晴らしいブドウから、どんなおいしいワインが出来上がるかと想像するのは、生産者にとっては本当にわくわくする瞬間でしょう。

 

オッシ村の外れ、山の中の美しいぶどう畑の中にアルバ&スバネッダのワイナリーがあります。ここでは、毎年秋にはブドウの収穫の終了を祝って、家族やスタッフ友人知人が集まり、みんなで収穫のお祝いをします。

最近ではすっかり家族の一員のように過ごさせてもらっている私たちも、オリスターノから泊りがけでオッシにやってきました。

 

Alba& Spanedda アルバスパネッダのカンニュラリブドウ畑

アルバ&スパネッダ、カンニュラリのブドウ畑

 

おしゃべりをしながら楽しくパーティーの準備

この日は、朝からみんな大忙し。敷地の中にある小さな小屋のキッチンの中はオーブンや大きなガス台があり、すでにオーブンの中では美味しそうなパイが温められ、大きな鍋ではパスタ用のラグーソース(トマトのひき肉のソース)がグツグツと美味しそうに煮えています。

ちなみに、サルデーニャの家庭にはシンプルな小さな小屋が家の敷地内にある時があり、ここでは大勢集まった時にいっぺんに調理できるようにと、厨房になっていることが多いようです。

 

Alba&Spaneddaの収穫祭

収穫祭のランチはカラフルなテーブルセッティングで

アルバ&スパネッダのワイナリーには家族や親戚、友人たちが、早い時間から次から次へと訪ねて来て、今年のブドウの収穫やワインの出来を楽しそうに話しています。おしゃべりは、遠くに住む娘や息子の近況や、近所の噂話など話題は尽きません。

私たちも何度もアルバ&スパネッダのワイナリーを訪ねているので、すっかり顔なじみとなり、あらまぁ?元気だった?日本ではサルデーニャワインは人気なの?最近、隣町のサッサリにも寿司レストランができたわよ!などなど、日本に興味津々のみんなからは色々な質問も飛び交います。

 

ご馳走はサルデーニャ島の伝統料理マヤレット(豚の丸焼き)

外では男性陣が大きな石作りのオーブンの中で、サルデーニャの伝統的料理、お祝いには欠かせないマヤレット(豚の丸焼き)を、じっくりと直火でグリルしています。どの部署にも得意な人が配置されるらしく、その技を披露しながら、時には調理するかなどのコツなども伝授しながら、すでにワインやビールを片手に和気藹々と楽しく作業が進みます。

 

Taru Lab マノロ
Alba & Spaneddaの大鍋
厨房のマノロと大きなお鍋

中庭には何人も座れるように、長テーブルが何台も並べられ、ワイナリーのオーナー、セバスチャーノの奥さんミケーラが、きちっとかけられたテーブルクロスの上に、紙皿の色の配色やらカトラリーやグラスの並べ方などを女性陣に支持しています。

あっという間にカラフルなセッティングが出来上がって行く様子は、さすがパーティー上手なイタリア人!とつい感心してしまいます。すごい数のグラスやカトラリーにも、びっくりしている私に、昔はもっとたくさんの人が訪れたのよと、ミケーラやミケーラのお姉さんルッチャーナが二人の昔話を聞かせてくれるのも楽しい時間です。なんだか、親戚のうちで過ごしながら家族の昔話を聞かされているような、そんな暖かい気持ちになります。

 

サルデーニャのお菓子

たくさんのお菓子が棚に並ぶ光景

訪れた客人たちもそれぞれにお菓子や自慢の料理などを持ち寄り、棚にはどんどん美味しそうな食べ物が並びはじめ、気がついたら、中庭にはすでにたくさんの人が集まっています。

みんなで席に着くと、セバスチャーノが今年の収穫への感謝とともに、見守ってくれた家族や友人たちに労いの言葉をかけ、乾杯の音頭を取ります。そしてここからは長い長い楽しいランチの始まり!

どの手料理もそれぞれ美味しく、これは誰が作ったの?今年も美味しいね。わぁさすがね。へぇ、新しいお料理なの?レシピを教えてね!と、おしゃべり好きで食いしん坊のイタリア人は食事中もとっても賑やか。

 

イタリア料理、ナスのラザニア
アルバスパネッダのランチパーティー
持ち寄りの美味しいお料理の数々

アルバ&スパネッダのワインを飲みながら

食事と一緒に振る舞われるのはもちろんアルバ&スパネッダのワイン!

白ワインはヴェルメンティーノのレントーレ、赤ワインは彼らが大得意とするカンニュラリワイン。自慢のデドラも登場します!

 

イタリア、サルデーニャの伝統料理パナダス

イタリア、サルデーニャの伝パスタ料理ニョケッティサルディ

サルデーニャの伝統料理パナダスとバスタ料理ニョケッティ・サルディ

 

パナダスは可愛らしい形をしたサルデーニャのパイのような伝統料理。中はしっとりとしたお肉が入っていて、サクッとしたパイ生地との相性が絶妙でいつ食べてもとっても美味しい。

ルマケ(カタツムリ)をトマトで煮込んだお料理は、大鍋に入った大量のカタツムリにはびっくり!見た目は度も各(笑)、食べてみるとトマトの風味がなんとも言えず良い味わい!

 

サルデーニャの伝統料理ルマルケ

タツムリは見た目はびっくり、食べると美味しい!

そのほかにも、数え切れないほどのたくさんの手作りおつまみを楽しみ、その後はこれもサルデーニャの定番パスタ料理、ニョケッティ・サルディのサルシッチャ・ラグーパスタの登場。ついつい食べ過ぎてしまい、デザートもたべれるようにとパスタは少なめにと思っていると、他にも同じ考えの女性があちこちにいるのに気づく(笑)。

 

マヤレット仔豚の丸焼き

マヤレットにはカンニュラリワイン

サルデーニャのご馳走マヤレット

そろそろ、お腹も膨れてきた頃に、続いて美味しそうに焼きあがったメインのマヤレットや羊のグリルが振舞われます。サルデーニャのお肉には濃厚な味わいがあり、職人(?)の腕でカリッと焼きあがった皮の中にはジューシーな肉の旨味が閉じ込められていて、何度食べても本当に美味しい。

この炭火焼きの豚肉料理にはフルボディーの赤ワイン、カンニュラリのバランス良い酸味と山のベリーのフレッシュな香りのデドラがぴったり!

 

カンニュラリワイン・デドラ、赤ワインのフルボディー

お肉料理にはやっぱりカンニュラリワインのデドラ

 

長い食事の後は、やっとデザートまでこぎつく。美味しいケーキ屋さんのケーキや、手作りのテラミスやデザートが次々と出てきて、もうお腹いっぱいなはずなのに、つい少しずつ手を伸ばしてしまう。一体何種類くらいのデザートがあったのかというくらいのボリュームでした!

 

サルデーニャ島の伝統菓子の数々

サルデーニャ島の砂糖がけのお菓子

サルデーニャ島の伝統菓子

 

食後はエスプレッソを飲み、その後もそれぞれリキュールを飲んだり、男性たちはウイスキーやラムを飲みながら葉巻を楽しんだり、おしゃべりをしながら、まだまだ長いパーティーは続きます。

こんな風に、ブドウの収穫を祝いながら、手作りの美味しいものをみんなで分かち合い、のんびりとワインを楽しむのは、素朴だけど掛け替えのないひと時です。

気づいたら、外はもう夕暮れ。アルバスパネッダのバルコニーからはこんな綺麗な夕日が沈んでいきました。

 

アルバス&パネッダのブドウ畑と夕日

アルバス&パネッダのバルコニーから眺める夕日

 

ファミリア・オロの新しいブドウ畑とランチパーティー

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノとニエデラの収穫を無事終えたファミリア・オロのトラマッツァ村のワイナリーでも、家族と親しい友人が集まって収穫を祝うランチパーティーがあるとの連絡があり、私たちもこの身内の集まる大切なランチに招待してもらうことに。こんな風に家族の集まりに呼んでもらえるなんて、少しずつ生産者と私たちの絆が深まっているのかな、と嬉しくなる出来事でした。

 

ファミリア・オロの収穫祭のランチ

ファミリア・オロのテーブルセッティングは白と黄色でシンプルに

ランチの前に、ダヴィデの案内で近くの畑まで歩いて行き、ファミリア・オロの新しいブドウ畑を見せてもらう。土地を手に入れたから、新しく畑を拡張するんだと言っていたダヴィデは、つい最近までブドウの苗の植え付けや、ブドウを支える支柱を全て自分で整備していて、ものすごく忙しかったと言っていた。やっと終わったよ、と嬉しそうに畑を披露してくれ、そこには一つ一つ金属の支柱に支えられた、たくさんの数の小さなブドウの苗が広がっていました。新しい畑を目の前にして、その数の多さに、これは大変な仕事だったのだなと素人目にもびっくりさせられる。

 

サルデーニャのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの畑

ファミリア・オロのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの畑

ダヴィデの新しいブドウ畑

前に、ブログでも書いたように、歴史あるこのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのブドウ品種は、色々な理由から今では栽培が激減していて、絶滅するかもしれない危機に直面しています。ダビデは新しい車を買うくらいだったら、土地を買ってブドウ畑を増やしたいといつも言っていて、こうやって本当に実現していく行動力が本当に素晴らしい!こうやって、ダヴィデの努力と情熱を目の前にすると、もっともっとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの栽培量が増えて、彼のワインがたくさんの人に飲んでもらえるといいなぁと願わずにいられません。

 

ワイナリーに戻ると、家族の多いオロ一家では、ダヴィデのお母さんがリーダーとなって、女性陣がおいしそうなサルデーニャのお料理を準備しています。テーブルの上にはもちろん、ファミリア・オロの畑で取れた、絶品オリーブのオイル漬けやアーティチョークのオイル漬けも、地元のチーズやサラミなども一緒に並んでいます。

 

ファミリア・オロのダビデ・オロ、乾杯の音頭

スパークリングワインを開けるダヴィ

 

ダヴィデが今年のブドウの収穫について、そして新しく拡張したぶどう畑の展望などについて話をし、みんなに感謝の言葉を伝えると、娘さんが生まれた年に記念でオーダーしたというスパークリングワインを開けてみんなで乾杯。美味しい前菜に始まり、ここでもニョケッティサルディのパスタ、そしてメインはマヤレットなどのお肉料理です。

残念ながらお料理の写真はあまりないのですが、この日のさらなる楽しいイベント、ランチの後のサルデーニャのパン作りをご紹介します。

 

サルデーニャの伝統パネヴィンタウ(装飾パン)

サルデーニャでは昔から宗教的な行事やお祝いに用いられるセレモニーパンという装飾パン「パネ・ピンタウ」作りが盛んです。

ファミリア・オロの家族や親戚一同はサルデーニャ島の伝統や文化への造詣も深く、芸術センスのあるファミリーメンバーがたくさんいます。その中でもダヴィデのお姉さんエスターはこの装飾パン作りの名人。ワイナリーには彼女の作った美しい装飾パンが飾られています。それを見て以来、習ってみたいと言っていたのを覚えてくれていたらしく、ランチの後に早速、パン作り教室を開催してくれました。

 

サルデーニャ島の伝統菓子パネピンタウ

サルデーニャの装飾パン作りの道具

参加者は数名。装飾用のいろいろな道具があるらしいのですが、メインは小さなハサミとナイフ、そしてパンの生地。ささっと手早く、いろいろなパターンを教えてくれ、基本の花や鳥のパターンやその応用など、それぞれにいろいろな意味があるという話をしながら、彼女の手元はちょきちょき、コロコロと忙しく、次々と可愛い形を生み出していきます。

 

パネピンタウの基本

パネピンタウの基本を教えてもらう

Taru Labの朝子のパネピンタウ作り

パーティーの後でほろ酔いながらも真剣に取り組む様子

 

パーティーの後でワインの酔いも回りつつ、先生の真似をしながら、しばし練習を繰り返す。だんだんにコツがつかめてきて、その後はちょっと不細工だけど小さな作品が出来上がりました。あとは低温のオーブンで焼くと完成だそう。

後日焼き上げたものを丁寧に箱に入れて渡してくれました。箱には日本語で装飾パンって書いてあったのにびっくり!これはダヴィデの妹、デザイナーのマウラ作。

もう少し時間をかけて、もっとたくさんの技や形なども教えてもらいながら、このパネピンタウの歴史や背景なども学んでみたいものだと思いました。

 

Taru Lab のパネピンタウ

焼きあがった自作のパネピンタウ

パネピンタウ、アップ

せっかくなのでアップも

サルデーニャ島での秋の行事や思い出は、実はこの他にもまだまだお伝えしたいことが盛りだくさん。

次回は山間のバルーバージャ地方での秋の文化祭についてもお伝えできればと思っています。

 

サルデーニャに思いを馳せながら、みなさんもこの季節をお楽しみくださいね。

 

 

 

Taru Lab のホームページから生産者の詳細などご覧ください。

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Letters from the Cellar #10

 

It must be the harvest, the sea breeze, the long warm days and the stunning sunsets over a glass of Vermentino that make us love September and October in Sardinia so much.
 
Our favorite time of the year often coincide with our visits back home.
 
Pattern is almost always the same. A couple of days of rest and some family time, followed by a few weeks of producers visits, catch-ups with friends, and discovery of new places. Many kilometers covered, from north to south from west to east, across the variety of landscapes that Sardina is blessed with.
 
This year, as it was for 2020, we still couldn’t travel.

Late summer and early autumn mean harvest!

This year we have been following it through photos taken by our friends and producers. Not exactly the same as walking across vineyards ready to be harvested but it definitely helps feel a bit closer to home.
 
Harvest is such a special moment, where all the hard work made in the vineyard throughout the year gets its rewards.

Personal relations with our producers are one of the key aspects of Taru Lab’s concept, which we are really proud of. Spending time with them help us understand their philosophy as well as of the challenges of their work.

Once harvest is out of the way, we love celebrating all together the end of it. Post-harvest lunches are always a binding moment, bringing family and friends together and sharing wine and traditional food. Some side activities always gave us the opportunity to learn something new, whether it is making ceremonial bread or traditional sweets, with the know-how kindly shared by our hosts.

Feeling privileged to be part of this.

The photos we took at Alba e Spanedda and Famiglia Orro gatherings speak for themselves. Looking forward to doing it again.

 
Yours sincerely,

Taru Lab

 

Letter #09 サルデーニャ島で5世代続くアグリツーリズモ、イル・ジリオ

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こんにちは。

イタリア人と日本人の夫婦で、小樽で小さなクラフトワインショップを営んでいます。 

 Taru Lab Wine Shop  ←こちら

 

今年は暑い夏の後に大雨の被害が続いていますね。

小樽は8月に入って急に涼しくなり、もう秋がきてしまったのかな?とちょっぴりさみしく感じる今日この頃です。

 

ところで、Taru Labというとサルデーニャワインやリキュールを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はTaru Lab、それだけではないのです、笑。

 

サルデーニャ島はワインだけではなく、伝統的で島独特の食文化があります。また、オーガニックやサステナブルファーミングが広く普及していることでも知られ、島には安全で最高品質の材料を使ったおいしい物で溢れていています。Taru Labではそんなサルデーニャ島の本格的スローフードにも注目しているのですが、その中でもサルデーニャ産のオリーブの実から丁寧に作られる、最高品質のエクストラヴァージン・オリーブオイルは、私たちが初めて味わってから、心から愛してやまないお気に入りの一つとなりました。

そんな訳で、Taru Labではワインやリキュールの他にも、私たちのお気に入りのオリーブオイルを始め、美味しいサルデーニャの食材も少しずつアイテムが増えています。

 

Il Giglio Treslizos  トレスリゾス サルデーニャ産のエクストラヴァージンオリーブオイル

サルデーニャ島で出会った素晴らしいエクストラヴァージン・オリーブオイル

 

今日はTaru Labでもファンが多い、フレッシュで繊細な驚きの味わいのオーガニックオリーブオイル、“イル・ジリオ”の生産者、サルデーニャ島で5世代続くアグリツーリズモ・イル・ジリオをご紹介します。

 

Il Giglio Agriturisumo アグリツールズモ イル・ジリオ
Il Giglio イル・ジリオのオリーブ畑
アグリツーリズモ イル・ジリオの入り口とオリーブ畑

オリスターノの隠れ家、イル・ジリオ

イル・ジリオはマノロの故郷オリスターノ市の郊外、ティルソ川が悠々と流れる美しい平野にある、地元でも人気のある隠れ家的存在の家族経営の*アグリツーリズモ 。広々とした手入れの行き届いた農園を所有し、その材料からチーズや肉製品、オリーブオイル他、たくさんの美味しい食品を生産、加工し、自ら経営するレストランや宿泊施設で提供しています。

*アグリツーリズモ: イタリアにはアグリクルトゥーラ(農業)とツーリズモ(観光) が一つになったアグリツーリズモという言葉があります。これは主に家族経営の小さな農家が自分達の生産物や伝統的農業生産物などを生産しながら、農業に密接した活動の一環としてレストランや宿を経営しイベントなども催す形態のことを指し、サルデーニャにもたくさんのアグリツーリズモが存在しています。

Il Giglio イル・ジリオ外観

Il Giglio イル・ジリオレストラン

Il Giglio イル・ジリオインテリア

石造りの外観と店内

レストランではアンティパスト(前菜) に始まり、美味しいチーズ、シャルキュトリーなどの肉の加工品や野菜、そして自家製のパスタ料理やお肉料理、デザートなど、全てにオーガニックの最高品質の地元の材料を使用したお料理が振る舞われます。レストランは石造の外観と内装で、趣のあるインテリアにはサルデーニャのアンティークの工芸品があちこちに飾られ、そのセンスも抜群。目でも舌でも楽しめる本当に素敵な空間です。

 

Il Giglio イル・ジリオ自家製生ハム
Il Giglio イル・ジリオ自家製チーズとジャム
Il Giglio イル・ジリオブルスケッタ
盛り付けも華やかなアンティパスト(前菜)
Il Giglio サルデーニャのパスタ
Il Giglio サルデーニャのパスタフレゴラ
Il Giglio サルデーニャのラビオリ
サルーデーニャ島のパスタもすべて手作り
Il Giglio サルデーニャ島の伝統的パスタ
Il Giglio メインディッシュ
Il Giglio 料理
手打ちのパスタと道具・お料理の数々

 

イル・ジリオの5世代続くビオへのこだわり

ここでは、この美食天国のようなレストランを運営するだけでなく、イル・ジリオの一家が1857年から環境を保護しながら守り続けてきた自社農場が、現在では5世代目のイル・ジリオ、オルーファミリーによって管理運営されています。彼らの農場は徹底したビオやサステナブルファーミングの理念で管理され、サルデーニャ島の自然環境の保護や新しい世代への環境や食文化の継承にも力を注いでいます。

 

イル・ジリオのレストランや宿泊施設では、地元の食材を使った美味しい料理が提供されるのはもちろん、農地も自分たちで管理し、食材自体も彼らが丹精込めて育てています。その農産物や食材からは加工食品などの製品が丁寧に作られ、生産、調理、製造、そしてお客様に提供するところまで、第三者や中間業者を一切介入せず、一貫して自分たちだけでやり通すというこだわりです。これもイル・ジリオらしく、お客様に最高の品質のものをお届けしたいという深い愛情を感じます。

 

Il Giglio Agriturismo  オーガニックにこだわるイル・ジリオアグリツーリズモ

環境やオーガニックにこだわるアグリツーリズモ

ワインラバーのアントネッラとその兄弟の営むアグリツーリズモ

イル・ジリオはアントネッラとアンナ、そしてフランチェスコの3人の兄弟が核となって運営されていますが、その中でもカリスマ的魅力がある社交的な性格のアントネッラは、現役で活躍するソムリエでもあります。いつも色々なプロジェクトで忙しく飛び回っている彼女は、大のワインラバーでもあり、私たちもソムリエの友人を通じて、アントネッラ と知り合いになることができ、そのおかげで、この素晴らしいイル・ジリオと彼女の手がける素晴らしいオリーブオイルを知ることができたのは、とても幸運なことでした!

 

Il Giglio Antenella
Il Giglio Antenella & Taru Lab
サルデーニャ島でのアントネッラとTaru Labの二人

彼女は、今ではオリーブオイルやワインのこと、サルデーニャの文化のことを一緒に話すことができる、サルデーニャの大切な友達の一人でもあり、私たちのサルデーニャ滞在中は イル・ジリオのレストランを訪れて、美味しいサルデーニャ料理に舌鼓を打ちに行くのも楽しみの一つとなりました。

 

樹齢100年以上のセミダナ種100%のオーガニックオリーブオイル

5ヘクター以上ある彼らの広大な農地では1000本以上のオリーブの木が栽培されていていますが、そのほとんどは100年以上の樹齢の立派な大木。そこから収穫されるセミダナ種のオリーブの実は、サルデーニャの中でも特にオリスターノで育つ土着品種で、このオリーブからは、イル・ジリオの看板商品 、香り高く味わい深いエクストラヴァージン・オリーブオイル、トレスリゾスが生み出されます。

 

Il Giglio樹齢100年のオリーブの木セミダナ
Il Giglioオリーブの収穫
Treslizos Olive Oil トレスリゾス エクストラヴァージン・オリーブオイル
樹齢100年以上のオリーブの木からつくられる香り高いトレスリゾス

トレスリゾスはイルジリオのオリーブの畑で採れたオーガニック栽培のセミダナ種のオリーブ100%を使って生産される、国際的にも最高評価を獲得している、トップクオリティーの希少なオリーブオイルです。その味わいは、まるでオリーブをそのまま搾ってジュースにしたよう。アーモンドやトマトの葉の香りと共に、質の高いオリーブオイルにある複雑味の中に、スパイシーさや軽い苦味なども感じられます。

 

Il Giglio アンナとアントネッラ オリーブの収穫

オリーブの収穫をするアンナとアントネッラ姉妹

 

 

スローフード協会認定。サルデーニャ産の世界最高品質のオリーブオイル

このオリーブオイル作りは、特にアントネッラとアンナ姉妹が長い間情熱を注いできたプロジェクトで、彼女たちの妥協を許さない完璧で真面目な仕事ぶりが、このように素晴らしいオリーブオイルを生み出しました。今では、トレスリゾスは地元のみならず、イタリア国内、海外でも大変高く評価され、その高品質で超越した香りや味わいは、世界のオリーブオイル500選に毎年選ばれ、イタリアソムリエ協会のオリーブオイル部門でもいつも最高賞を獲得、毎年数々のオリーブオイルの品評会で素晴らしい功績を残し続けています。イル・ジリオはイタリアスローフード協会からも、イタリアの最高品質のオリーブオイルの生産者として認定されていて、ボトルにはスローフードの公式認定書が添付されています。

 

Il Giglioの環境にもこだわったオリーブ畑

サルデーニャのオリーブセミダナ種

スローフード協会でも毎年受賞の実力派オリーブオイル

オリーブオイルの品評会で数々の受賞をし続けています

セミダナ種100%のトレスリゾス・オリーブオイルはスローフード協会からもお墨付き

 

イル・ジリオを通して本物のスローフード体験

このように、5世代に渡って、土壌や環境、そこから生まれる生産物に真剣に取り組んできたイル・ジリオの食品は、どれも完成された素晴らしい味わいがあり、その一つ一つに物語や歴史、哲学があり、その話を聞くのもとても楽しいひと時です。

 

このような長い年月を経て培ってきた、彼らの環境やオーガニックへのこだわりが生んだ製品を通して、サルデーニャ島の本物のスローフード体験できるのはとても嬉しいことです。

 

ガイドブックの受賞歴
オリスターノの馬のお祭りのデコレーション
入り口にはガイドフックなどでの受賞のシールが数々

 

私たちも、いつも愛用しているこの美味しいオリーブオイル。

写真は小樽産の雲丹パスタにたっぷりとトレスリゾスオリーブをかけて。一緒に合わせるワインも、オリスターノ近くのアルボレア村で作られた、クアルトモロ・ディ・サルデーニャのQ(クー)スパークリングワイン、ヴェルメンティーノグレープのメトドクラシコです。

 

Treslizos トレスリゾスとウニパスタ Qスパークリング
Treslizos トレスリゾスと海の幸 お刺身 サルデーニャのワインと
トレスリゾスを使ったウニのパスタと海の幸・Qスパークリングと一緒に

 

イル・ジリオのスローフードの世界はお楽しみいただけましたか?

次回は、イルジリオでのサルデーニャの伝統的お料理やワインとの組み合わせなどにも触れて見たいと思うのでお楽しみに!

 

美味しい食べ物の話でお腹が空いてきたので、今日はこの辺で。

 

アグリツーリズモ イル・ジリオとトレスリゾス エクストラヴァージンオリーブオイルはこちらをご覧ください。

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Letters from the Cellar #9

 
Not only wine at Taru Lab.


Our passion for excellent quality extra virgin olive oil is not a secret.


On a flat land in the River Tirso Valley, near Manolo’s hometown of Oristano, there is an hidden gem: a family owned agriturism, il Giglio. Surrounded by a spectacular farming landscape, it’s a place that is hard not to fall in love with.
 
An unmissable stop to enjoy delicious meals prepared with local produce. Seasonal ingredients are grown, bred and prepared within the borders of their farm.
 

Antipasto of cheese, cold cuts, olives and vegetables, homemade pasta, great meat dishes and of course traditional Sardinian sweets are only some of the delicacies awaiting once you enter the door of the beautiful hall.
 
Antonella (pictured with us), along with her sister Anna and brother Francesco, is the engine of il Giglio. Her energy and charm are addictive.
Antonella is also a professional sommelier and wine lover.



Other than running this gastronomy heaven, the Orrù Family have been custodian of that land since 1857 and their five hectares farm is now looked after by the family’s fifth generation.

Some 1000 olive trees, most of them being century old, produce the local cultivar, Semidana, typical of the area surrounding Oristano.
Treslizos, their monovarietal extra virgin olive oil produced by Semidana through biological agriculture, has been awarded multiple times locally, nationally and internationally.
 
A top quality oil with aromas of almond, tomato leaf; spicy with a touch of bitterness.
A drizzle of it on raw scallops and prawns or pasta with sea urchin accompanied by a glass of a sparkling vermentino, Q Metodo Classico produced by Quartomoro di Sardegna are treats hard to resist.
 
Il Giglio is part of the Slow Food Presidium for the promotion and safeguard of high quality Italian extra virgin olive oil.
 
Keep up the great work Antonella, Anna and Francesco!
 
Yours sincerely,

Taru Lab

 

Letter #08 ファミリア・オロとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(2)

Famiglia Orro Entra in Famiglia エントラ・イン・ファミリアメイン

こんにちは。

イタリア人と日本人の夫婦で、小樽で小さなクラフトワインショップを営んでいます。 

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いかがお過ごしですか?

北海道はやっと少しずつ夏らしくなってきました。 木々のグリーンが鮮やかになり、花が色鮮やかに咲きほこり、一年の中でも鮮やかで気持ちの良い季節の到来です。小樽の海は日々青々と輝き始め、サルデーニャの海を思い浮かべています。

 

少し前に、このブログで、ファミリア・オロとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノについて触れましたが、今回はその続編。

今日はサルデーニャ島、トラマッツァ村のワイナリー、ファミリア・オロのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのブドウとワインへの取り組み、そして"エントラ・イン・ファミリア"(ファミリーの一員になろう!)というプロジェクトについてご紹介します。

 

Famiglia Orro ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインの樽

ファミリア・オロのワイナリーの中、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインの樽

◆ファミリア・オロの名前を初めて聞いた方やヴェルナッチャディオリスターノって何?と思った方は、前回のブログも是非ご覧くださいね。(リンクはこちらから↓)

Letter #03 ファミリア・オロとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ - Taru Lab - Letters from the Cellar

 

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの由来と生産地

サルデーニャ島西部、オリスターノ、ティルソ川の流れるこの土地は3000年もの長い間、世界でも最古のブドウ品種の一つと言われているヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの故郷としても知られています。

古代ローマ人はその土地のワインという意味で「ヴェルナクルム」と名付け、このラテン語の言葉がヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの語源となったと言われています。

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのブドウはオリスターノ市の近くの小さな地域、ティルソ川の下流の窪地を原産として栽培された時に限り、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという名前でワインを生産することができます。

(ブドウとワインの名前が同じなので少し混乱しますね、笑)

 

独特な醸造法、フロール酵母を用いたイタリアワイン

そして、このヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインの特色の一つに、珍しいワイン醸造技術を使った独特な製法があります。フリーランジュース(ブドウをプレスしたワインを作る前のブドウジュース)を樽の中に少し隙間を残して注ぎ込み、野生酵母を入れて発酵させるのですが、その野生酵母の働きで産膜酵母(サッカロミセス・セレビシア・フロール)が生成され、このワインの個性的な特徴を生み出します。

 

もう少し詳しく説明すると、産膜酵母(フロール酵母 )が熟成しているワインの表面に形成され、アルコールを栄養にして香りの高いムルアイという複雑なアロマの分子を放出し、世界のワイン学の宝とも言われるヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインの特性が作り出されます。

なんとも興味深いワインです。

 

Famiglia Orro ヴェルナッチャフロール・産膜酵母生成1
Famiglia Orro ヴェルナッチャフロール産膜酵母生成2
Famiglia Orro ヴェルナッチャフロール産膜酵母生成3
ヴェルナッチャワインに形成された産膜酵母(サッカロミセス・セレビシア・フロール)

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノが日の目を浴びなかった理由

とはいえ、この素晴らしい品質と特徴のあるヴェルルナッチャ・ディ・オリスターノワイン、色々理由はあるのですが、なかなかイタリアでも国際的にもそれほど日の目を浴びずに現在まで至っているのが残念なところです。

 

その原因はいろいろあるのですが、ワイン造りではどこの産地でも直面する可能性となる、消費者の嗜好の変化や市場のグローバル化、そこに色々な事情と生産者やワイン業界がこのワインの重要性を伝えきれていなかったなどの要因があったようです。

 

その結果、以前はヴェルナッチャ・ディ・オリスターノが栽培されていた広大なぶどう畑は他のブドウ品種に植え替えられてしまったことで激減。生産者もすっかり減ってしまい、現在ではブドウ自体が絶滅の危機に直面するにまで至ってしまったのです。このままでは将来、次の世代にヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのブドウやワインを知ることや楽しむことができないのではないかとまで言われていて、そんなことにならないようになんとかこの危機を阻止したいものです。

 

Famiglia Orro Vernaccia di Oristano Davide Orro ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノブドウの収穫

ファミリア・オロのダヴィデとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノグレープ

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを再び現代に息を吹き返す

そんな中、ごく最近になって、数人の生産者たちによってこのワインの価値が少しずつ再び見直されるようになってきました。その中でも重要な役割を果たしている一人がファミリア・オロのオーナー、ダヴィデ・オロ。ダヴィデはヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの可能性と重要性を若い頃から大学で研究しながら、自らもブドウ栽培とワイン醸造を手がけ、希少なヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを歴史や文化としての価値も含めてその存続に積極的に働きかけてきました。

 

その結果、いくつかの革新的なプロジェクトを通し、活動に加わるメンバーも徐々に増えてきており、今では他の生産者や地域の行政も巻き込みながら、少しずつですが、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノが再び現代に息を吹き返すようになりました。

 

Famiglia Orro エントラ・イン・ファミリアメンバープレート

エントラ・イン・ファミリアのメンバープレート

ファミリアオロのプロジェクト「エントラ・イン・ファミリア」について

その一つに「エントラ・イン・ファミリア」というプロジェクトがあります。このプロジェクトは、ファミリア・オロが率先し、リーダとなってヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを絶滅の危機から救い、存続させるという目的で立ち上げられました。

直訳すると、「ファミリーの一員になろうという意味で、このプロジェクトに参加する誰もがヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのために、それぞれができることでその保護に小さな貢献をしていこうという働きかけです。ここ数年、Taru Labでも特に注目しているプロジェクトでもあります。


Taru LAbのオーナーマノロの出身地のワイン、私たち自身も大好きなサルデーニャ島の希少なヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワイン!

それを丁寧に作り続ける、ファミリア・オロの素晴らしい働きかけとコンセプトに感銘を受け、何か私たちのもできることはないだろうかと、 Taru Labでも2019年に日本からは初めて、エントラ・イン・ファミリアの正式メンバーに入れてもらいました。

 

famiglia Orro エントライン・ファミリアのメンバー登録1

famiglia Orro エントライン・ファミリアのメンバー登録2

エントラ・イン・ファミリアのメンバーの登録

「エントラ・イン・ファミリア」を通したTaru Labの役目

私たちが役目は、日本でもこの希少なヴェルナッチャ・ディ・オリスターノについて、皆さんに少しでも知っていただき、興味を持っていただくということだと思っています。

このヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという長い伝統と歴史のある魅力的なブドウとワイン、サルデーニャ島の伝統と文化の残る素晴らしい土地への私たちの思いも込めて、良い形で皆さんにご紹介できないかと、日本でのこのエントラ・イン・ファミリアプロジェクトアイディアを現在いろいろと構想しています。

とは言っても、ここ1年以上はコロナ禍に見舞われ、身動きのできない状況が続き、思ったように計画が進んでないのが残念なのですが、まずはできることからやっていきたいと思います。

 

ということで。

Taru Labでやっている、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのワインへの小さな取り組みについて、少し触れてみようと思います。

 

Famiglia Orro Vernaccia di Oristano ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ全ラインナップ

ファミリア・オロのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの全ラインナップ

ファミリア・オロのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのテースティングセット

まずは飲んでくれる人がいるということが、ワイン生産者にとっては何よりも大切なことだと思っています。

Taru Labではファミリア・オロのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインを各種日本に輸入し、 みなさんに紹介させていただいています。

ファミリア・オロには同じヴェルナッチャ・ディ・オリスターノグレープを使った色々な製法の違うヴィンテージのワインがありますが、現在Taru Labでは常時10種ほどのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインのラインナップを揃えています。

 

実店舗のある小樽のTaru Lab WineShop併設のワインカフェではヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワイン5種の飲み比べセットもご用意しています。

 

Famiglia Orro Vernaccia di Oristano ヴェルナッチャ・テースティングセット

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ テースティングセット

 

実はお店で使っているこの木製のテースティングセット、日本のみなさんに楽しんでもらえたらとファミリア・オロがわざわざ手作りしてくれたものです!

サルデーニャ島のお祭りで使うようなシンプルなグラスを用い、木製のパドル(ホルダー)にはワインの名前が焼印で示されています。

 

ワイン全5種に加え、他にもその時々のヴィンテージ違いなども体験できる、ものすごくレアな試飲セットをワイナリー特性のオリジナルのテースティングパドルで!

こんな色々なベルナッチャワイン を試飲できるのは日本ではここだけなのではと思います(笑)。

小樽にいらっしゃる機会に、ぜひ一度この美味しさを体験して見てくださいね!

 

この珍しいヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインについては新聞でもご紹介していただきました。

 

 

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ北海道新聞掲載

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの新聞記事

今回はちょっと専門的な話にもなりましたが、サルデーニャの個性的なワイン、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノとその背景に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

 

またの機会に、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのワインの飲み方や、フードペアリング、サルデーニャ島のヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ・エコミュージアムなどについても触れてみたいと思います。

お楽しみに!

 

梅雨や暑い季節となりますが、どうぞみなさまご自愛ください。

では今日はこの辺で。

 

ファミリア・オロの情報や

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインのラインナップは

こちらをご覧ください。

tarulab.co.jp

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Letters from the Cellar #8

 

Valle del Tirso (River Tirso Valley), Sardinia: a land that for over three thousand years has been home to an ancient grape: Vernaccia di Oristano. The Romans named it “Vernaculum”, meaning “local wine”.

One of the key peculiarities is the rare winemaking technique used to produce it, resulting in its unique aroma characteristics. Traditionally the free-run juice is poured into small partly unfilled barrels. The action of indigenous yeasts, the Saccharomyces Cerevisiae Flor, is responsible for the unique profile of this wine. The Flor yeast forms a layer on the wine’s surface and, feeding of the alcohol, casts its magic. It generates a complex aroma, hardly mistaken and so representative of a land, its history and tradition, characterizing this gem of world oenology.

A wine that for a number of reasons is yet to achieve the bright spot that it deserves in local and international markets, despite its quality and uniqueness.
Unfavorable circumstances, including globalization of markets and change in consumers’ taste, along with poor communication on its unique qualities and history, have resulted over the years in a strong decrease of the vineyard area planted with Vernaccia di Oristano. It has been risking extinction, almost denying future generations the possibility of getting to know and treasure it.

Only in recent years it has slowly been rediscovered and valued by a very small number of producers. One of them, that has certainly played a key role and has never stopped believing in its potential, is Famiglia Orro. Through a network and a number of initiatives involving other producers, local government and the broader community in the area, Davide Orro and its family are helping drive the return to prominence of Vernaccia di Oristano. It is still a long way, though!

One of the most noteworthy activities led by Famiglia Orro with the aim to keep Vernaccia di Oristano alive and away from extinction is named “Entra in Famiglia”, loosely translated as “Join the Family”. Anyone can join and give their small contribution with the aim to the safeguard, protect and promote Vernaccia di Oristano.
At Taru Lab we did our bit and joined this wonderful initiative of Famiglia Orro in 2019, with the aim to help Vernaccia di Oristano’s promotion in Japan.
With a bit of time at hand over the last few months, due to this seemingly endless pandemic, we have put our thinking hat on and have planned different ways to broaden Vernaccia di Oristano’s Family in Japan, through our passion for this grape and the land in which is grown. More to news to come in the upcoming months.

Flor yeast my love...

Yours sincerely,

Taru Lab