Taru Lab - Letters from the Cellar

小樽のクラフトワインショップ樽ラボが世界に発信!

Letter #05 クアルトモロ・ディ・サルデーニャの醸造家、ピエロ・チェッラとの1日

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こんにちは。

イタリア人と日本人の夫婦で、小樽で小さなクラフトワインショップを営んでいます。 

 Taru Lab Wine Shop  ←こちら

 

北海道は桜の開花まではもう少し!

小樽はまだ冷んやりする日もありますが、少し春らしい気持ちの良い日が続いています。

今日は黒いおしゃれなボトルと土着品種のユニークなワイン造りで人気のあるクアルトモロ・ディ・サルデーニャのオーナーで醸造家のピエロさんのお話です。

 

サルデーニャワインがお好きな方は、もしかするとピエロ・チェッラの名をすでにご存知かもしれませんね。ピエロは同じくワイン醸造家の父を持ち、若い時はスーパートスカンの父とも呼ばれ、イタリアの偉大なワイン醸造家の一人とも言われるジャコモ・タキスがサルデーニャでワイン造りをしていた時に、長年弟子としてジャコモの片腕となって働きながらワイン造りを学びました。そして今ではサルデーニャ中のワインの産地や、大小さまざまなワイナリーでコンサルタントとしても大活躍しながら2007年に自分のワイナリーも立ち上げました。サルデーニャでワインを飲んでいると、彼の手がけたワインにあちこちで遭遇しますが、何よりもピエロのワインへの情熱と行動力が、周りを引き込むすごいパワーと影響力で溢れているのに驚かされます。

サルデーニャ島のクアルトモロ・ディ・サルデーニャ

クアルトモロ・ディ・サルデーニャワイナリーのディスプレイ

クアルトモロ・ディ・サルデーニャのワイナリー

ピエロは奥さんのルッチャーナ、醸造学を学んでいる息子さんのアルベルト、娘さんのヴィオランテを中心にした、家族経営のとても素敵なワイナリーがクアルトモロ・ディ・サルデーニャです。彼らのスタイリッシュでミニマルでセンス抜群のワインボトルも目を引くのですが、そこにはクアルトモロ・ディ・サルデーニャサルデーニャ島の土着品種グレープへの深い愛情と、数々の実験、卓越したブドウ栽培とワイン醸造の技、そして無限の情熱が隠されています。

ピエロと奥さんのルッチャーナ

ピエロと奥さんのルッチャーナとサルデーニャのワイン試飲会場で

 サルデーニャ、その大陸、そして無限のテロワール(風土)」

これはピエロがクアルトモロ・ディ・サルデーニャをビデオクリップで紹介するときに使った言葉です。この短い言葉の中にクアルトモロ・ディ・サルデーニャがすべてを表現されていると言っても過言ではありません。

クアルトモロ・ディ・サルデーニャのワイナリーの中

2018年。クアルトモロ・ディ・サルデーニャと私たちの出会いのエピソードはちょっとドキドキするものでした。初めて彼らのワイナリーを訪ねた日、私たちは日本へ彼らのワインの輸入をさせてもらえたらという期待を胸に、ピエロとルチャーナに会いに行きました。ワイナリーを訪問すると、二人が日本のワイン専門雑誌の最新号を見せてくれたのですが、なんとその中にはクアルトモロ・ディ・サルデーニャのワインが美しい写真と共に紹介されてるではないですか!それを見た瞬間、私たちは、遅かったか!クアルトモロ・ディ・サルデーニャのワインは既に他の人の手で日本に発売済みだと思い、私たちは一挙にがっかりしてしまいました。気を取り直して、よくよく話を聞いてみると、実はサルデーニャワイン特集の中で参考商品として扱われただけで、まだ日本へは輸出はされいないとのこと。私たちの気持ちはもうジェットコースターのようにアップダウン(笑)、さっきまでがっかりしていたのに、次の瞬間には嬉しさで弾け飛び、勢いづいた私たちは、クアルトモロ・ディ・サルデーニャのワインを私たちに日本に輸入させてもらえないかと思い切って尋ねてみたのでした!すると、それはいいね!とすぐに良い返事をしてもらえ、話はトントン拍子で進んだのでした。その後、無事私たちの手でクアルトモロ・ディ・サルデーニャのワインを日本に輸入する運びとなり、今に至っています。

Winartサルデーニャワイン特集

クアルトモロ・ディ・サルデーニャが掲載されたワイン雑誌

余談ですが、雑誌Winart92号は私たちの手元にも今もあるのですが、このサルデーニャのワイン特集は国際的ジャーナリストでもありワイン評論家でもある宮嶋勲氏の丁寧な解説と豊かな表現力で、美しい写真と共にサルデーニャのワインが大きく取り上げられた素晴らしい内容のもので、サルデーニャワインを学ぶのには絶好の読み物です。

クアルトモロ・ディ・サルデーニャの日本入荷ワイン

今ではクアルトモロ・ディ・サルデーニャのワインが日本に入荷しています

そのドキドキする対面からしばらく経ち、日本へもクアルトモロのワインが入荷されるようになってから、再びサルデーニャを訪れた私たちは、2018年9月、マノロの地元、オリスターノから数キロのカブラスという町にあるピエロの仕事場の一つでピエロと1日を一緒に過ごさせてもらうという大変貴重な体験をさせてもらうことになりました。

コンピュータに向かうピエロ・チェッラ

仕事場のピエロ

ワインについて真剣に話すピエロ

ワインについて真剣に話すピエロ

その日は、ピエロがコンサルタントをしている大きなワイナリーを見学させてもらい、ピエロの働いている現場に同行させてもらいながら、今ではイタリアを代表するワインメーカーとして忙しく仕事をする彼のブドウ栽培からワイン造りについての詳しい話や、サルデーニャのワイン産業への視点や意見、挑戦、その可能性などについて等々、多岐に渡ったまるで大学の講義のような内容をくまなく聞かせてもらうことができました。話をしている間、忙しいピエロの携帯は鳴り続け、次々と真剣に指示を出している様子で、一時たりともワインのことを考えない時間はないのじゃないかと驚かされながら、その日は私たちにとってはサルデーニャのワイン造りを大きく知る素晴らしい学びの機会となったこととはいうまでもありません。

 

スパークリングワインQとZ

ヴェメンティーノグレープを使った2種類のスパークリングワインQとZ

サルデーニャの土壌

ブドウ畑の土壌の違い

クアルトモロ・ディ・サルデーニャでは、彼らのワインを通してサルデーニャの土着ブドウ品種の数々だけではなく、ブドウやワイン造りの技法の違いによる表現の豊かさを日本に紹介してくれています。最近ではサルデーニャでも栽培量の非常に少ないアルヴィジョナードゥやその他にもムリステッル、セミダノという品種のワインが到着したのですが、その味わいからは、サルデーニャの珍しい土着品種の特徴を最大限に感じられるだけではなく、香り、味、複雑さなどがバランスよく表現されたピエロ・チェッラ独特の品のある仕上がりです。

サルデーニャの土着品種グレープを使ったクアルトモロのワイン

ピエロのワイナリーは実験的なワイナリーでもあり、日々、数々のサルデーニャの土着品種のブドウでのワイン造りが繰り広げられています。それはただ闇雲にユニークなワインを作るという偶然の発見ではなく、ブドウ品種やワイン醸造の技術を知り尽くしたピエロにしかできない、最高のワインを生み出すためのたゆまない努力なのだというのが、彼の仕事場で1日を通じてひしひしと感じることができました。

Q

サルデーニャのおつまみとQ

ピエロのサルデーニャ土着品種グレープとワイン技法への取り組みについては、また機会を見つけてお伝えしますね。

では、今日はこの辺で。

どうぞお元気にお過ごしください。

 

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Letters from the Cellar #5 

A day with Piero Cella.

For those of you who are even slightly familiar with Sardinian wines, Piero Cella needs no introduction. Disciple of Giacomo Tachis, the father of Super Tuscans and widely considered the greatest Italian enologist ever, Piero has work for many years as a consultant across different wine regions of Sardinia. His passion and drive are contagious.

With his wife Luciana, his son Alberto and daughter Violante they are the heart and soul of a beautiful family owned winery called Quartomoro di Sardegna in Arborea. Behind their very stylish bottles there is a story of love for indigenous Sardinian grape varieties, experimentation and superb level of know-how.

"Sardinia: a continent, infinite terroirs": with this line, that truly captures his view on a land that he loves, Piero once perfectly introduced Quartomoro di Sardegna in a short promotional clip.

In October 2019 we had the distinct pleasure to spend a day with Piero at one of its workplaces in Cabras, a few kilometers away from Manolo’s hometown, Oristano.
It was a very fortunate experience to listen to his story as a winemaker and its view on Sardinia’s wine industry, its challenges and its great potential. We left the meeting with Piero feeling very enriched and ispired. 

Through our collaboration, Quartomoro di Sardegna gave us the opportunity to introduce to Japan a number of wines made with Sardinia's indigenous grape varieties. 

Thank you Piero and thank you Quartomoro di Sardegna.

Yours sincerely,

Taru Lab